ホーム>社会人経験者の入学に関すること 社会人経験者の入学に関すること看護師養成所における社会人経験者の 当協議会の会員校対象に実施している「看護師等養成所の管理・運営等に関する実態調査」(平成26年6月発刊)では、平成24年度の看護師養成所(3年課程)における社会人経験者の割合(社会人経験者数/学生総在籍数)は23.7%であった。これは、今や、3年課程看護師養成所の学生のうち、およそ4人に1人が社会人経験者であるということ示しています。全国の看護師等学校養成所1,696校を対象に厚生労働省が毎年実施している「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」の各年の入学者の学歴のデータを追い、大卒・短大卒の割合を算出しますと、全学生中の大卒・短大卒の割合は、10%前半で推移(2008年10.8%、2009年12.5%、2010年14.4%、2011年13.4%、2012年13.1%、2013年11.7%、)していることが分かります。 これらのデータが示すように、当協議会会員校においても、毎年、非常に多くの社会人経験者や大学、短期大学等の卒業者を学生として受け入れ、教育しております。 文部科学省では、大学や大学院における社会人の受入れの推進についての審議が継続的に進められており、各大学で、「長期履修生制度」、「科目等履修生志度」、「サテライトキャンパス」等の制度の設置や導入に取り組むなど、大学が社会人経験者を学生として取り込もうという意識は強く、また体制を整えている最中であることがわかります。 このタイミングで、当協議会が、厚生労働省の補助金を受け、《看護師養成所における社会人経験者の受け入れ準備・支援のための指針》をまとめることができ、これを礎石に、全国の看護師養成所で、一定の共通認識を持って、意識的に、“社会人経験者の受け入れ”を進める流れを推進できたことの意義は大きいと考えます。 大学教育に比較し、看護師養成所では、教員と学生の距離が近く、学生は教員を頼り、教員は学生を学習以外の面でも親切に支援しているという特徴があり、スムーズに学習ができない要因を持つ学生にとって、非常に心強いサポートとなっています。このような看護師養成所の“良い面”を最大限に活用し、発展させ、社会の期待に叶う看護師養成教育を行い、教育と人材育成の実績を上げていくことが看護師養成所に課せられた重要な社会的役割の一つでありましょう。社会人経験者の受け入れは、いわゆる新卒学生の受け入れとは異なった準備を必要とする面もありますが、入学後、社会人経験者の存在が、新卒学生の成長にとって触媒的に働き、同時に社会人経験者の学習支援や人材育成に積極的に取り組むことにより、養成所の教育の質の全体的向上に繋がっていくというメリットもあります。 当協議会からの調査報告書を基に厚生労働省が2015年3月に取りまとめました「看護師養成所における社会人経験者の受け入れ準備・支援のための指針」(上記)は、看護師養成所において、社会人経験者の受け入れ準備・支援を行うにあたり参考になる実際的な内容をコンパクトにまとめたものです。是非とも、ご活用ください。
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